赤面症とは
赤面症とは、不安や緊張、ストレスなどを感じたときに、顔が真っ赤になる症状です。不安の強いときに顔が青くなる方もいますが、ほとんどの方は、赤くなり、ほてりを感じたりします。
日本人の特徴として「相手が自分をどう思っているか」を気にしやすいという特徴があります。日本人は、子供の頃より、他人と同じ行動をとるように指導される状況が多いからです。
人にどう思っているか気にしてしまうと、スピーチや挨拶などの注目を浴びるような場だけでなく、人と一緒にいるだけで不安や恐怖に襲われることも多くなり、人と話すときに、すぐに顔が真っ赤になったりします。
赤くならないようにしようと思っても、顔だけでなく、首や耳なども真っ赤になってしまい、止めようと思っても、止めることができません。
赤面症の場合、赤くなるのは顔だけでなく、首や耳まで赤くなったりします。そのため、特に色白の女性だと、余計目立ちやすいです。赤面症の場合、自分でも緊張すると顔が赤くなるのに気づいている場合が多く、顔が赤くなる自覚から、さらに意識してしまって、さらに恥ずかしくなり、緊張の度合いが高まる方もいます。
赤面症の症状が出るのは、交感神経がコントロール不能になり、過剰に働いて身体反応が起こるためです。交感神経は、不安や恐怖を感じたときに、体が防衛システムを起動させることにより、活発になります。交感神経が活発になると、次のような身体反応が出ます。
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以上のように、交感神経が活発なとき、身体反応のひとつとして、顔が赤くなります。人と話すときに、緊張するのは普通のことですし、緊張して顔が赤くなることは、珍しいことではありません。
しかし、赤面してしまう自分を強く恥じ、苦悩してしまうようにまでなってしまうと、赤面症です。赤面症になると、人前に出たり、上司や先輩などと話したりする状況を、だんだん避けるようにもなります。
赤面症の方は、交感神経が活発なときの症状が出やすいため、心臓がドキドキしたり、手のひらからたくさん汗も出やすくなります。また、「顔が赤くなるかもしれない」と思っただけで、震えだしたりして悪循環になる方もいます。
しかし、薬を飲めば、交感神経の過剰反応を抑えることもできます。
赤面症の原因と治し方
赤面症は、精神科の病気の中せは、社交不安障害の一種になります。社交不安障害とは、2008年までは社会不安障害と呼ばれていた病気で、人と関わりのある場面で出る病気です。
社交不安障害には、次の2種類があります。
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全般性社交不安障害の赤面症は、ほとんどの状況で不安や恐怖を感じてしまう、重症のタイプです。若いときに発症しやすく、うつ病やパニック障害、アルコール依存症などとも合併しやすいです。
全般性社交不安障害の赤面症は、原因が単純ではないことが多く、忘れられないぐらいショッキングな出来事があったり、家族の中にも赤面症の方がいたりという、遺伝的な影響も考えられます。
全般性社交不安障害の場合は、病院で治療を受けたほうがいいです。しかし全般性社交不安障害の場合は、すべての状況で不安が強いため、病院に行くこと自体にも不安を感じ、なかなか医療機関に出向けないという現状があります。
一方、非全般性社交不安障害の赤面症は、ある状況のときに赤面症の症状がでるけれども、それ以外では目立った症状がないタイプです。
非全般性社交不安障害の赤面症の方は、不安の場所は明らかで、例えば、人前で話すと赤面症になる、スピーチのときに赤面症になるなど、場面が特定されています。そのため、その状況を乗り切るときに薬を服用し、不安と赤面症との悪循環を断ち切れば、病気も克服しやすいです。
なお、社交不安障害は、セロトニンの働きが不十分なため、不安や恐怖を感じやすいと考えられています。そのため、赤面症の治し方としては、病院で治療を受けるだけでなく、セロトニン神経を活発にする生活療法を取り入れるのもおすすめです。
セロトニン神経を活発にする治し方には、次のようなものがあります。
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リズム運動とは、一定の動きを繰り返す運動です。手軽なのは、ウォーキングやジョギング、水泳で、息が切れない程度で5~10分以上続けます。セロトニン神経を活発にする運動の場合は、一定のリズムを意識し、規則正しい呼吸を意識しながら運動します。そのため、ウォーキングやジョギングをするときは、毎回、同じコースをまわるようにします。コースを変えてしまうと、風景や道順に意識が向いてしまい、余計なことを考えてしまうため、リズム運動になりません。また水泳をする場合は、速さやタイムなどを意識せず、ゆったりと一定のリズムで泳ぐようにしましょう。水泳の場合は、疲れない程度に30分程度泳いでもOKです。
セロトニンによい食事は、セロトニンの原料となるトリプトファン・ビタミンB6・炭水化物の含まれた食事です。
トリプトファンはタンパク質に多く含まれるため、大豆・納豆・豆腐・高野豆腐・味噌などの豆製品や、牛乳・チーズなどの乳製品、レバー・卵・アボガドおすすめです。
ビタミンB6は、サンマ・イワシ・サバ・カツオ・マグロ・タイなどの魚や、小麦胚芽・玄米・大豆・生姜・にんにく・唐辛子に多く含まれています。
炭水化物は、玄米・白米などの穀物や、イモ類・そば・パスタ・果物に含まれています。
朝、忙しくて時間のないときは、セロトニン・ビタミンB6・炭水化物を豊富に含み、消化もいいバナナを食べるのも、おすすめです。
なお、セロトニン神経が活発になっても、不安や恐怖が和らぎやすくなるだけです。そのため、人が苦手な性格までは、治すことはできません。そのため、セロトニン神経を活発にしがら、少しずつ、人との会話のテクニックも身につけていくのもいいでしょう。そうすれば、人といても緊張しにくくなり、赤面症の治し方としても効果的です。
赤面症克服のテクニックを効率的に学びたい方は、今、話題の『あがり症改善プログラム』もチェックしておくといいかもしれません。